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unico☆chronicle

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記録(6)さようならありがとう。

たった2週間(気づいてから)の私の初めての妊娠期間は終わった。

ナウシカに出てくるクロトワのセリフ「チェ、短い夢だったぜ」がしっくりくる。

クシャナが死んだと思って、自分が指揮官になれることに喜び気合いを入れるが
あっという間にクシャナが生きて現れた時の脱力感。

赤ちゃんが出来たと思って、自分が母親になれることに喜び気合いを入れるが
あっという間に赤ちゃんが死んで出て行ってしまった時の脱力感。


ホントに短い夢だった。

でも夫も言っていたが、最初からお互いなんとなくはしゃぎすぎないように
ものすごくセーブしていたのは何か感じていたからなのかもしれない。
1年カレンダーを作ったり、妊娠周期を数えるiphoneアプリをDLしたりはしたけど
「たまひよ」には手を出さなかったし、病院においてある妊娠雑誌も読もうとは思わなかった。

(ただ、私の両親にだけ早く伝えてしまったことは失敗だった。
報告した時、母は「お母さん実は旅行行く先々の神社でお願いしてたんだよ〜」と教えてくれたし、
父は何も言わずに密かに目をぬぐっていた。  …かたじけない。すまぬ。)


そして今回心拍を見る事にとても期待していたけれど、心拍を見る事は出来なかった。
でもそれは結果良かったと思える。
心拍を見ていたらもうちょっと傷は深くなっていた気がする。

私はまだ傷が浅い方なのだ。
この世にはもっと深く傷を残す流産死産がたくさんある。

私は長い間不妊だったので、不妊の苦しみをわかっているつもりです。
不妊だった私は、流産の話を読んだりすると「妊娠できるだけいいじゃないか」と思っていた。
私は受精着床すら出来ないのだと。

今回のことで確かに、私に受精と着床が可能であることを知らせてくれた。
それだけで良かったと思うところもある。

だけど、このこと以前に流産について思っていた「妊娠できるだけいいじゃないか」は
間違っていたんだと気づいた。

「失う」ということが発生してくるんですね。

不妊は失わない。「得られない」のだ。
この苦しみは本当に特殊でとても辛い。

だけど流産とは全く比較されるようなものではなかった。

不妊も流産も、この世で起きる大小含めた全ての悲しい出来事。
これらは何を言っても何を書いても、伝わる人には伝わり伝わらない人には伝わらない。
ひとつだけ言えることは「経験しないとわからないことがある。」
ということだと改めてわかった。


私はこの子にとても貴重な人生経験を積ませてもらえたと思っています。
妊娠できることも教えてもらえた。
ただ、成長させてあげられなくてごめん。それは本当に。
とても寂しいけれど、それは仕方ないこと。


本当にありがとう。
感謝でいっぱいだよ。

感傷的にはならないぜ。
お互いのベストだったと信じてる。

「俺、お前の体内に宿ってやったけど、すぐ出て行ったんだぜー ワイルドだろー。」
とか言っていて笑っていて欲しいな。
すげーワイルドだったよ。 

そして、私の卵巣に腫瘍があることも教えに来てくれたんだね。
体を張って教えてくれたんだね。やっぱりワイルドだ。



流産は悲しい。
だけど悲観的になってても仕方ない。
全て自然の摂理で、これが私の人生に起きるべくして起きた事。

乗り越えている人はこの世にたくさんいる。

自然は優しく厳しい。
これがこの世なの。

この世は素晴らしい。
そして妊娠出産は本当に奇跡。

流産を通して私はこう思えました。

流産経験ある方〜、こちらを是非↓
http://www.youtube.com/watch?v=plLBUwSOAMA

by unicorn_unico | 2012-06-01 00:06 | ● 短い夢の記録