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unico☆chronicle

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記録(5)

【注意)血とかグロめな表現ありです】


薬をもらって帰ってから、夫がお昼に帰ってきてくれるのでそれまで薬を飲むのはやめておいた。
私「これで赤ちゃんを出すんだって」
夫「仕方ないよね」

私「ただの細胞だったと思えばいいんじゃないかなと思ってる。
まだ魂が入る前の段階の細胞分裂途中なだけだったんじゃないかって思うと少し気が楽なんだー」


と言ってみた。頭ではそうサッパリ思えてるつもりでも、
身体?心臓?はどうやら悲しんでいるようだった。
心臓がギューーっと痛んだ。というか「寂しい」という感じ。
私の思考と心の感情が噛み合ってないみたいだった。
もしかしたら赤ちゃんが「俺ただの細胞なんかじゃねーし」と思ったかな。
受精した瞬間から魂は宿るって話もあるしね。

「悲しい」と思考する前にどんどん目から涙が出て来てしまう。
夫に泣き顔は見せたくなかったが無理だった。
悲しいつもりはないけど涙が出てくる。

「心にぽっかり穴があく」という表現があるよね。
なんとなくそれに近い体験はしたことがあったような気はするけど
こんなに実感として空いている感覚は初めてだった。
2週間は、お腹に卵があることを実感し、
冷静を装いつつも密かにはしゃいで生活していたのだ。
心臓のあたりに空洞を感じる。


お昼ご飯を食べてから、青い小さい薬を飲んだ。
1時間経った頃からお腹が痛みだした。
血がドバドバ出てくるのがわかるので、出そうになったらトイレにかけこんだ。
この時はまだどのくらい出るのかわからず、普通に昼用ナプキンをしていた。
あっと言う間に全面真っ赤になるので、家にあった夜用ロングをつけておいた。
(私は普段の生理の時も夜用は必要ない位、寝ている間に血を出す事があまりないので
あまり使わずにとっておいたものがあって良かった。)

薬を飲んで2~3時間の間、本当に大変だった。
この間トイレに閉じこもっていても良かったかもしれない。
数回駆け込んだうちの3回位でレバー状の塊が何度か出た。
先生はこれを取れたらとって持って来てと言っていたが、
気づけばトイレの奥にスルッと見えなくなってしまっていた。

私はこの中のどれかに赤ちゃんがいたんだと思って流す前に
「来てくれてありがとう。またすぐ来てね。さようなら」と言っていた。
なんてあっさりした別れなんだ。
でもこれでいいんだ。
細胞はもう成長しないものなんだから。


出そうになったらトイレに駆け込んでいたし、夜用をつけて安心していたら
ちょっと気を許したうちに溢れ出ていて座布団を汚してしまった。
こんなに出るなんて聞いてないよーー!
「お薬飲んだら少しお腹が痛みますよ」とだけ説明されただけだった。
流産なんて初めてなんだから相当出るから気をつけてねくらい言っておいて欲しかった。

しかも痛みも半端じゃなかった。
生理痛の酷い時の2~3倍?のように感じた。
イヴを飲みたかったが飲み合わせについて質問していなかったし、
この痛みは通過儀礼のような気もしたので痛みにひたすら耐えていた。
これは陣痛に近いのか?
陣痛が楽しみだ。

痛む中、夫が帰宅してから夜用のもっとすごいやつが欲しくて買いに行った。
夜用に縁のない私は、この世にこんなオムツみたいなナプキンがあることを初めて知った。
スーパーナイトガード的なものをして翌日を過ごしていたが
その翌日はもう大出血はなかった。普通の生理くらい。
しかし薬は飲み続けなければならないので、腹痛だけは前日と変わらず酷かった。
子宮を無理矢理痛くしてるんだから仕方ない。


薬の名前は「パルタンM錠」。
バルタン星人を思い出す。
「妊婦は絶対に飲まないで下さい」と赤く大きく書いてある。

by unicorn_unico | 2012-06-01 00:05 | ● 短い夢の記録